手汗というのは、なかなか他の人には理解されないのがつらいですよね。ただ手に汗をかきやすいだけと思っている人も多いでしょうが、汗とは思えないほどぐっしょり濡れるケースも多く、これらの症状を手掌多汗症と呼びます。多汗症は生まれつきとか体質とか遺伝と思い込んでいる人も少なく無いようです。しかし、実際には手掌多汗症は病気の一種なのです。そして、一般的には精神的な緊張が原因とされるケースが多く、手掌多汗症の人でも寝ている間やリラックスしている間は症状が出ないという人が殆どなのです。手汗をかく人は、自分自身がその事を自覚しており、自覚というよりは神経質に受け止めすぎているケースが多いようです。ちょっとした緊張で手に汗をかき、常に掌がじんわりと湿っているので人と触れるのが怖いと感じたり、そのことを人に知られるのが怖いと感じたりします。ですから、握手しなければならない状況になるとますます緊張が高まり、汗の量も増えてしまうという悪循環に陥ってしまいます。その後も、相手に不快感を与えたのではないかと必要以上に考え込み、それが更に病状悪化へと繋がるケースもあるようです。緊張というのは誰にでもあることで、それによって汗をかく人も少なくありません。ですが、交感神経に何らかの異常が起きて敏感に反応しすぎる人は、その汗の量が異常に多くなってしまうのです。また、手掌多汗症には症状の度合いによってレベルが1~3まで設定されていますから、自分のレベルを知ることも大切でしょう。代償性発汗とは、手掌多汗症改善のための交感神経切断手術を行った人に現れる副作用の一つです。手掌多汗症は交感神経が過敏に反応することから起こるとされているため、その改善のための手術では交感神経の切断が行われます。しかし、この手術を行うと、手足の発汗は抑えられるのですが、その代わりに身体の別の部位の発汗が増加してしまうことがあります。その症状を代償性発汗といいます。具体的には、背中やお腹、太もも、お尻、ひざの裏側など、それまでは殆ど汗をかかなかった部位からの汗が増えてしまう現象です。この副作用は個人差もあるので、全員が必ず発症する訳ではなく、また、その症状の重症度にも違いがあります。この代償性発汗は、気温が25度を超えると、胸より下の下半身に特に汗をかくのが特徴です。酷い場合には服がびっしょり濡れるほどの汗をかき、いすに座っている場合などはお尻や太ももが特に汗をかきやすくなるようです。これは交感神経を切断してしまったことにより、温熱性発汗を抑制する機能が弱まったり、働きにくくなる為に、以前より大量の汗をかいてしまうのです。腔鏡下胸部交感神経遮断術を行った人のうちの80%以上が発症するというデータがあり、そのうち60%以上の人が生活に支障をきたすほど酷い状態になったという結果が出ているそうです。交感神経は一度切除してしまうと二度と元に戻すことはできませんから、手術を受ける際には慎重に判断してください。